この事例の依頼主
50代 男性
相談前の状況
父が亡くなったのですが、居住していた土地の登記を確認したところ、曽祖父の名義のままになっていました。この土地は、祖父の兄弟姉妹との間では祖父が引き継いでいたことに争いはなく、父の兄弟姉妹の間でも父が引き継いでいることに争いはないと生前に父から聞いています。今回の父の相続で、この土地を私が引き継ぐことで家族間で話し合いがまとまっているのですが、さすがに登記の名義をそのままにしておくわけにもいかないので、実態に合わせて私の名義にしたいと考えています。
解決への流れ
この土地に関する利害関係者の戸籍謄本を取得したうえで連絡をとってもらい、必要な書類を整えて、無事登記手続が完了しました。利害関係者が20人近くになっていたので、たいへん複雑な状況となっていましたが、これで、この土地についてこれ以上悩まされなくて済みます。
登記の名義が残っていることはよくあります。私の身近にも同様のことがありました。これを放置すれば、さらに複雑になってしまいます。ですから、気づいたときに、しっかりと対応する必要があります。登記を整える上では、まず、曽祖父の段階から形式的な相続人が誰であるかを調査し、現在の潜在的な所有関係を確認する必要があります。その上で、利害関係を有する方から、所有関係に関する同意と登記手続のための書面の提出をお願いし、法務局に対して登記申請を行います。なお、相談者の曽祖父の段階の相続では、場合によって、現代の通常の相続ではなく、家督相続制度のもとでの相続が生じている可能性もあります。相談者の祖父が家督相続をした場合には、曽祖父から祖父への登記手続は、簡潔に行うことができる可能性があります。