犯罪・刑事事件の解決事例
#ヤミ金対応

【ヤミ金|法外な取立て】ギャンブル依存症を抱えた相談者様に対する、業者からの取立てを回避。

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中島 俊明 弁護士が解決
所属事務所桜花法律事務所
所在地京都府 京都市中京区

この事例の依頼主

20代 男性

相談前の状況

1.相談者様は、本件依頼時20代の男性です。ギャンブル依存症を抱えており、どうしても競馬や競艇をやめることができませんでした。相談者様は、一度、司法書士の先生にギャンブルで出来た借金について任意整理してもらいました。しかし、それでも競馬や競艇がやめられず、任意整理のためにブラックリストに登録されてしまい消費者金融などから借入ができなくなったことから、今回の相手方らであるヤミ金まがい業者2社と取引をしてしまい、取立てを受ける可能性に直面することになりました。2.相手方らである、2つのヤミ金まがい業者の手口は概ね共通していますので、そのうち1社を例にとって説明します。まず、貸金契約ではなく、売買契約の形をとっています。そして、ヤミ金まがい業者が指定するサイトに商品のレビューを書き込むことで相談者様に報酬として1万1000円を支払い、その商品の代金として契約してから約1か月後に2万500円を支払うというものです。その業者から購入したものは、単なる商品で特に価値があるものではありません。この取引について分析すると、商品に実質的な価値がないことから売買契約という形に意味はなく、実質的には1万1000円を貸し付けて、契約してから1か月後に2万500円を返済させることと同じことでした。このように実相手方らは、売買という形式をとりながら、実際にはお金を貸し付けて法外なお金を取り立てるという手法をとっていました。3.相談者様は、家族とも話し合って、ギャンブル依存症の問題に真摯に向き合いたいと考えるとともに、相手方らの取立てを何とかしたいと考え、当事務所の弁護士に相談しました。そして、相手方らが実質的なヤミ金であるとの説明を受けて、弁護士に本件事件を委任しました。

解決への流れ

1.弁護士は、相手方らの手口を分析し、上記のとおり、相手方らの手口が商品に実質的な価値がないことから売買契約という形に意味はなく、実質的には報酬という名目でお金を貸し付けて、後日返済させるというものと判断しました。そのうえで実質的な利息を算定したところ、2つ業者の利息は、それぞれ年利約1120%と年利約910%というものであり、出資法の規制を大きく潜脱するものでした。2.弁護士は、夜に相談を受けて受任しましたが、その日のうちに、相手方らに対して、LINEとメールで相手方らの手口が出資法違反であり、公序良俗に違反して無効であると記載した受任通知を送付しました。そうしたところ、次の日までに相談者様に対する請求を撤回させ、相談者様には今後連絡をしないことを約束させることができました。

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中島 俊明 弁護士からのコメント

1.速やかに相手方らに手を引かせることができてよかったと考えています。相談者様にも喜んで頂くことができました。2.ヤミ金に対する規制が広まったことで、今回の相手方らのようにヤミ金であることがわかりにいく業者が増えています。契約の形式に惑わされずに相手方の手口を見破ることが弁護士に求められていると強く感じています。3.ここで、ギャンブル依存症についてお話します。私は、ギャンブル依存症は進行性の病だと考えています。典型的な例を挙げると、はじめのうちは収入の中からギャンブルのお金をねん出しているのですが、そのうちに預金や家族のお金に手を付けたりするようになったり、銀行のカードローンや消費者金融から借入をするようになっていきます。そして、そこでも借りられなくなってくると、違法なヤミ金に手を出したり、そして、ひどい場合には勤務先の会社のお金に手を出したりして、会社から告訴を受けて、警察に逮捕され刑罰を受けてしまうこともあります。このように状況は日々悪化しているにもかかわらず、ギャンブルがやめられないというのがギャンブル依存症なのです。ギャンブル依存症の厄介なところは、本人がギャンブル依存症であることを認めたがらないというところにあります。しかし、ギャンブル依存症を放置していけばどんどんと状況は悪化していきます。ギャンブル依存症が自分の病に気付けるように、ギャンブル依存症がれっきとした病であり、それにかかることは他の病気と同じで何ら恥ずかしいものではなく、治療していかなければならないものであることがきちんと周知されていってほしいと思います。4.今回、相談者様はギャンブル依存症の問題が進行していく中でこの事件にかかわらせて頂くことになりました。この件をきっかけに相談者様には是非とも回復の道を歩んでいってほしいと願っています。