この事例の依頼主
女性
相談前の状況
ご母堂の遺産分割につき、他に法定相続人が存在していることが発覚したため、遺産分割協議のためご相談いただきました。ご相談者は、諸事情によりご母堂に他に子がいることを知らず、ご母堂が亡くなる直前にその存在を知ったため、今まで一度も他の相続人とは会ったことがありませんでした。
解決への流れ
当職が代理人につき、ご相談者が一度も会ったことがない相続人との遺産分割協議を行わせていただきました。ご相談者様に全て財産を相続させることが生前のご母堂の意向ということもあり、かつ、今後のご相談者様と他の相続人との関係にも配慮した交渉を行い、他の相続人に生前のご母堂の意向を理解していただくことに努めました。最終的に、ご相談者様に法定相続分を超える相続分を取得させるに至り、生前のご母堂の意向に沿うような解決をすることができました。また、ご相談者様と他の相続人との間を取り持ち、相続人間でも関係も良好のまま解決することができました。
遺産分割協議は、法定相続分(法律で決められた割合での分割)にとらわれず、相続人間で誰にどのような財産をどれだけ相続させるかを協議し決めることができます。それゆえ、相続人全員の合意と協力が必要になります。ですが、遺産相続問題に関しては、単に法的な考えに基づいて解決を図るだけでは不十分であり、相続人や親族間のこれまでの関係性や将来の関係にも配慮しなければならないシビアな問題が必ずあります。当職は、第一に、ご依頼者の意向を最大限に図れるよう考えつつ、上記のようなシビアな問題にも配慮して遺産分割協議を行うことによって、将来の関係性も見据えた解決を図ることを心掛けています。遺産相続問題は、親族間の関係を悪化させるようなシビアな問題が多々ありますので、一人で、又は、一部の相続人や親族間だけで悩まず、まずはご相談下さい。また、自らの死後、相続人間で争うことがないよう遺言などの予防策を講じることも重要ですので、ぜひご相談ください。