犯罪・刑事事件の解決事例
#労働条件・人事異動 . #給料・残業代請求

残業代を一切支払わなかったラーメン屋から,退職後に残業代を取りたい

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飯塚 隆史 弁護士が解決
所属事務所さざんか総合法律事務所
所在地埼玉県 川口市

この事例の依頼主

50代 男性

相談前の状況

私は都内某所のラーメン屋に勤務していました。そのラーメン屋は,年中無休,午前11時から深夜25時まで営業しています。店舗には正社員は私だけ,後は数人のアルバイトで店を回しております。必然的に,私は,ほぼ毎日,朝から晩まで休む間もなく働かされることになりました。せっかくのたまの休日であっても,学生アルバイトがドタキャンしたため,店舗に駆り出させることもよくあります。はっきり言って限界でした。さらに辛いのは,こんな労働環境なのに,ラーメン屋を経営する会社は私に対して,一切,残業代を払ってくれないのです。わずかな基本給だけです。やってられません。ある日,激務に耐えきれなくなって,とうとう会社を辞めました。辞めた後に考えたのですが,私はかなりの長時間働いていたのですから,会社に請求すれば,相当な未払残業代を支払ってもらえるのではないでしょうか?ただ,残念ながら当時の私の労働時間を記録したタイムカードはありません。大丈夫でしょうか。

解決への流れ

弁護士に委任し,代理人として未払残業代の交渉及び労働審判をしていただきました。懸念していた残業代計算のためのタイムカードがないことですが,ラーメン屋の勤務時間は常に一定であったため,給与明細の出勤日数等から暫定的な残業代を弁護士に算出してもらいました。そして,請求した残業代の大部分を労働審判において,裁判所に認定してもらえたのです。おかげで満足のいく残業代を会社から得ることができました。このお金で,自分のラーメン屋を開業したいと思います。

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飯塚 隆史 弁護士からのコメント

悲しいことですが,従業員に対して残業代をきちんと払っている会社の方が日本では少ないのかもしれません。しかし,従業員(労働者)が使用者(会社)との間で締結している労働契約とは,「労働者による労務の提供と使用者による賃金の支払」を内容とするものです。つまり,労働者が残業(労務の提供)をしたのであれば,当然,使用者はかかる残業(労務の提供)に対して残業代(賃金)の支払義務があります。会社から残業代が支払われないのであれば,毅然と会社に対して残業代の支払を請求しましょう。残業代は,発生から3年(2020年3月までは2年)立つと時効により消滅してしまいますので,迅速な請求も必要となります。残業代の請求する際には,特に「どれだけ残業していたのか」がよく争点になります。そのため,タイムカードを事前にコピーしておく,業務日報を手元に残しておく,出退勤の時間のメモをとっておく等日頃から残業時間を客観的に分かるようにしておきましょう。今回のような店舗勤務であれば,タイムカードがなくても,ある程度の残業時間を出すことができます。残業代が支払われず困っている方は,まずは一度,弁護士に相談してみてください。