犯罪・刑事事件の解決事例
#慰謝料・損害賠償 . #人身事故

事故前から在籍していた職場に復帰でき,さほど減収がない場合に,高額な後遺症逸失利益を獲得できた事例

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齋藤 毅 弁護士が解決
所属事務所川崎パシフィック法律事務所
所在地神奈川県 川崎市川崎区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

私が自己所有の自動二輪車(オートバイ)を運転していたところ,居眠り運転をした自動車が対向車線から突っ込んできて,私は片足切断を含む怪我を負ってしまいました。その後職場に復帰することはでき,事故前とさほど代わらない給与を職場からもらえてはいるのですが,子どももまだ小さく今後のことが不安なので,しっかり賠償金を取得しておきたいのですが,どのように対応したらよいのでしょうか。

解決への流れ

弁護士に依頼し,弁護士と保険会社側の弁護士とで交渉を続けてもらいましたが納得いく金額にまで至らなかったので,自賠責保険金を取得してもらった上で損害賠償請求訴訟を提起しました。その上で,事故によって生じた症状によりどれほど日常生活に支障が生じているかといったことや,私の勤める職場の規模が小さく,いつ何時職を失うか分からないといったことを丁寧に主張・立証することで,適切な後遺症逸失利益(後遺症が生じたことによって働けなくなった分のお金)を獲得することができました。

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齋藤 毅 弁護士からのコメント

最三小判昭56.12.22民集35巻9号1350頁は,次のとおり判示していることから,事故に遭い重篤な後遺障害を負ったとしてもさほど減収がないケースの場合,適切な主張・立証を怠ってしまうと,本来獲得できる可能性のあった金額を獲得できなくなってしまう可能性があり,この最高裁判決を踏まえた適切な主張・立証が求められます。「被上告人は,研究所に勤務する技官であり,その後遺症は身体障害等級一四級程度のものであつて右下肢に局部神経症状を伴うものの,機能障害・運動障害はなく,事故後においても給与面で格別不利益な取扱も受けていないというのであるから,現状において財産上特段の不利益を蒙つているものとは認め難いというべきであり,それにもかかわらずなお後遺症に起因する労働能力低下に基づく財産上の損害があるというためには,たとえば,事故の前後を通じて収入に変更がないことが本人において労働能力低下による収入の減少を回復すべく特別の努力をしているなど事故以外の要因に基づくものであつて,かかる要因がなければ収入の減少を来たしているものと認められる場合とか,労働能力喪失の程度が軽微であつても,本人が現に従事し又は将来従事すべき職業の性質に照らし,特に昇給,昇任,転職等に際して不利益な取扱を受けるおそれがあるものと認められる場合など,後遺症が被害者にもたらす経済的不利益を肯認するに足りる特段の事情の存在を必要とするというべきである。」